Premiere Proの「メモリが不足しています」エラーは、実際のRAM搭載量が不足している場合だけでなく、メモリの割り当て設定・バックグラウンドアプリの競合・仮想メモリ設定の問題によっても発生する可能性がある。まず設定変更と環境整理で対処し、それでも解消しない場合にRAM増設を検討するのが適切な順序になる。
原因の構造分解
RAM: Adobeへのメモリ割り当て設定の初期値
Premiere Proはデフォルトで、After Effects・Auditionなど他のAdobe製品用にもRAMを予約する設定になっている。この予約分のRAMはPremiere Proが利用できないため、実際のRAM容量より少ない量しか使えない状態になりやすい。
たとえば16GB環境でAfter Effects用の確保量が6GBに設定されていると、Premiereが使えるRAMは最大10GBになる。4K素材を扱う場合はこれだけで不足する可能性がある。
設定: 仮想メモリの容量が小さい場合
Windowsの仮想メモリ(ページファイル)が手動で小さく設定されていると、RAMが枯渇した際に逃げ場がなくなりエラーが発生しやすい。自動管理に戻すことで改善する場合がある。
環境: 複数のAdobe製品・重いアプリの同時起動
After Effects・Media Encoder・Adobe Auditionを同時に起動している状態では、各アプリがそれぞれRAMを確保するため、合計使用量が物理RAM容量を超えやすい。
プロジェクト: キャッシュ・プレビューファイルの大量蓄積
メディアキャッシュやプレビューファイルが蓄積されてCドライブの空き容量が極端に少なくなると、仮想メモリの書き込み先がなくなりメモリ関連エラーが起きやすくなる。
解決手順
手順1: Premiereへのメモリ割り当てを調整する
- 「編集」→「環境設定」→「メモリ」を開く
- 「他のすべてのアプリケーション用に確保するRAM」の現在値を確認する
- 16GB環境では4GBに設定する(Premiereに最大12GBを割り当てる)
- 32GB環境では8GBに設定する(Premiereに最大24GBを割り当てる)
- OKをクリックしてPremiere Proを再起動する
手順2: 不要なバックグラウンドアプリを終了する
- Ctrl+Shift+Escでタスクマネージャーを開く
- 「プロセス」タブをRAM使用量の多い順にソートする
- 編集中に不要なアプリ(Chrome・Slack・OneDrive同期・Discordなど)を右クリック→「タスクの終了」で閉じる
- Premiere以外のAdobe製品(Photoshop・After Effectsなど)も使わない場合は終了する
手順3: Windowsの仮想メモリ設定を確認する
- スタートメニューで「パフォーマンスの調整」を検索して開く
- 「詳細設定」タブ → 「仮想メモリ」→「変更」をクリックする
- 「すべてのドライブのページングファイルのサイズを自動的に管理する」にチェックが入っているか確認する
- チェックが外れていた場合は有効にしてOKをクリックし、PCを再起動する
手順4: メディアキャッシュを削除してCドライブの空き容量を確保する
- 「編集」→「環境設定」→「メディアキャッシュ」を開く
- 「メディアキャッシュファイルを削除」をクリックする
- 「未使用のメディアキャッシュファイルを削除」を選択してOKをクリックする
- 削除後、Cドライブの空き容量が20GB以上あることを確認する
手順5: プレビューファイルを削除する
- Premiere Pro上でプロジェクトを開いた状態で「シーケンス」メニューを開く
- 「レンダリングファイルを削除」を選択する
- プレビューファイルが削除され、ディスク容量が解放される
判断基準
| 条件 | 推奨アクション |
|---|---|
| RAM 16GB・設定未調整・複数アプリ同時起動 | 設定変更とアプリ整理で解消できる可能性が高い |
| RAM 16GB・設定調整済み・エラーが継続 | 32GBへの増設を検討する |
| RAM 32GB以上でもエラーが発生 | 仮想メモリ設定・Cドライブ空き容量を優先して確認する |
| Cドライブの空き容量が10GB未満 | キャッシュ削除またはキャッシュ保存先の変更を実施する |
| After Effectsと同時起動が必要な作業 | 64GBが実用的な目安になる場合がある |
設定を全て見直してもエラーが継続する場合は、RAM物理容量の不足が原因である可能性が高い。RAM 16GB vs 32GBで増設コストと効果を確認することを推奨する。