RAM 16GB と 32GB の違いは「快適に編集できる解像度の上限」と「安定性」に直結します。
Premiere Pro は単体で 8〜12GB 程度を消費します。
Windows 11 が 3〜4GB 使用するため、16GB 環境では常時80〜95%使用状態になりやすいです。
結論
- 1080pのみ・単カメラ → 16GBでも可能
- 1080p 60fps以上 / 4K → 32GBが実質最低ライン
- After Effects併用 → 32GBでも余裕とは言えない
なぜ16GBでは足りなくなるのか(メモリ消費の構造)
「GPUが弱いから重い」と誤解されがちですが、
実際は以下の流れが原因です。
メモリ不足 → ページファイル発生 → SSDアクセス増加 → カクつき
Premiere Pro のメモリ消費目安
- 起動直後:2〜3GB
- 1080p編集:6〜10GB
- 4K編集:10〜18GB
- Lumetriカラー適用:+2〜4GB
- ノイズ除去系エフェクト:+2GB前後
- Dynamic Link(After Effects):+4〜8GB
Windows + ブラウザ + 常駐アプリを含めると
16GBでは余白がほぼありません。
使用率90%を超えると起きること
- タイムラインスクラブが引っかかる
- 再生開始時にラグが出る
- 書き出し中にフリーズする
- Chromeを開くだけで落ちる
これはGPU不足ではなく、メモリ枯渇の症状です。
メモリ使用率の確認方法(1分チェック)
- タスクマネージャーを開く
- 「パフォーマンス」→「メモリ」を確認
- 編集中・書き出し中に80〜90%以上に張り付いていないか確認
目安:
- 80%超が頻繁 → 32GB検討ライン
- 90%超が常態化 → 32GB推奨ライン
比較表(用途別)
| 用途 | RAM 16GB | RAM 32GB |
|---|---|---|
| 1080p 30fps 単カメラ | △ 条件付きで可能 | ◎ 余裕 |
| 1080p 60fps | ✗ 不安定になることあり | ◎ 快適 |
| 4K 30fps | ✗ プロキシ必須 | ○ 実用域 |
| 4K 60fps | ✗ 現実的ではない | △ 設定次第 |
| After Effects併用 | ✗ メモリ不足 | △ 調整必須 |
| ブラウザ常駐 | ✗ 危険域 | ◎ 問題なし |
「プロキシを使えば16GBで十分?」への回答
短期的には可能です。
ただし根本解決ではありません。
理由:
- プロキシ生成時にもメモリを使用する
- 書き出し時はフル解像度処理
- AE併用時は回避不可
- AI機能使用時にメモリ消費増大
長期運用を考えるなら32GBが安全圏です。
商業案件で起こりうるリスク
メモリ不足は「少し重い」だけで済まない場合があります。
- 書き出し中に停止し再レンダリング
- AE連携でクラッシュ
- 長尺編集で不安定化
趣味用途なら我慢できますが、
納期がある作業ではリスクになります。
Adobeメモリ割り当て設定(概要)
Premiere / After Effects では
「他のアプリに残すメモリ量」を設定できます。
これは軽度不足の緩和には有効ですが、
物理メモリ不足の根本解決にはなりません。
16GB環境では調整余地が小さいため、
増設のほうが安定性向上につながります。
投資対効果で考える
| 方法 | コスト感 | 改善度 | 優先度 |
|---|---|---|---|
| RAM増設(16→32GB) | 低〜中 | 大 | ★★★★★ |
| GPU交換 | 中〜高 | 中 | ★★★ |
| CPU交換 | 中 | 中 | ★★ |
| 新規PC購入 | 高 | 最大 | ★★★ |
ポイント
- メモリ不足が原因の場合、最も早く・確実に快適化するのが RAM 増設です。
- GPU・CPUは用途によって効果が変動します。
将来性の観点
Premiere Proは年々メモリ消費が増えています。
- 自動字幕生成
- AIノイズ除去
- AIリフレーム
- 高精度カラー処理
これらはCPU・GPUだけでなくメモリも大量消費します。
2026年以降を考えると、
32GBは「贅沢」ではなく「標準ライン」に近づいています。
判断フロー
32GBを推奨するケース
- 使用率が80%以上になることがある
- 書き出し時に不安定になる
- 4K素材を扱う予定がある
- After Effectsを使う
- 3年以上PCを使い続けたい
16GBでも運用可能なケース
- 1080pのみ
- エフェクト最小限
- ブラウザを閉じて編集できる
- 趣味レベル