Premiere ProでGPU関連の問題が発生したとき、実際にVRAMがどれだけ使われているかを確認できなければ原因の特定が難しい。タスクマネージャーとGPU-Zを使えば、VRAM使用量をリアルタイムで確認できる。この記事では確認手順と、解像度・作業内容別の必要VRAM目安を整理する。これにより、現在の環境がGPUのどの限界に近づいているかを客観的に把握できる。
原因の構造分解
VRAM不足でGPU加速が機能しなくなる
Premiere ProはGPU加速に使用できるVRAMの空き容量が不足すると、処理をCPUに切り替えることがある。これが起きると、GPU加速を有効にしているにもかかわらずプレビューが重くなったり、エクスポートが遅くなる現象として現れる場合がある。
4K以上の素材はVRAMを大量に消費する
4K解像度の映像1フレームは約33MB(4096×2160×4バイト)になる。これにエフェクトのバッファやGPUエンコードの作業領域が加わるため、4K編集では最低でも8GBのVRAMが必要になる場面がある。6K・8Kになるとさらに消費量が増加する。
複数アプリのGPU共有
Premiere Proを起動しながら、ブラウザ・After Effects・Media Encoderなどを同時に動作させるとVRAMが共有されて使用量が増加する。8GB GPUでPremiere Proに割り当てられるVRAMが圧迫されている場合、他のアプリを閉じることで改善する可能性がある。
エフェクトの種類によるVRAM消費の差
LumetriカラーやBlur系エフェクトは比較的VRAMの消費量が少ない傾向がある一方、MotionBlur・変形・マスク合成が重なると消費量が増加する場合がある。使用しているエフェクトの数と種類を把握することがVRAM使用量を管理する上で重要になる。
解決手順
タスクマネージャーでVRAM使用量を確認する
- Ctrl+Shift+Escを押してタスクマネージャーを開く
- 「パフォーマンス」タブをクリックする
- 左側のリストから「GPU 0」(複数GPUがある場合は該当するGPU)を選択する
- 右側に「専用GPUメモリ」と「共有GPUメモリ」が表示される
- 「専用GPUメモリ」がGPUのVRAMで、使用量と最大容量が表示される
Premiere Proを起動してプロジェクトを開いた状態でこの値を確認することで、通常作業時のVRAM消費量が把握できる。4K素材を再生している最中に確認すると最大値に近い状態を測定できる。
GPU-ZでVRAM使用量をリアルタイム確認する
- GPU-Z(TechPowerUp製、無料)を公式サイトからダウンロードしてインストールする
- GPU-Zを起動し、「Sensors」タブを開く
- 「Memory Used」の項目がVRAM使用量(MB表示)をリアルタイムで表示する
- Premiere Proで素材を再生・書き出し中に確認することで作業ピーク時の使用量がわかる
GPU-ZはGPUの仕様確認にも使えるため、ハードウェアデコード対応(NVDEC)の確認にも活用できる。
解像度・作業内容別の必要VRAM目安
以下は一般的な目安であり、エフェクトの複雑さや使用するコーデック・プラグインによって実際の使用量は変わる場合がある。
| 解像度・作業内容 | 目安のVRAM |
|---|---|
| 1080p・編集のみ(エフェクト少) | 4GB |
| 1080p・エフェクト多用 | 6〜8GB |
| 4K・編集のみ(エフェクト少) | 8GB |
| 4K・エフェクト多用 | 12〜16GB |
| 6K・RAW素材 | 16GB以上 |
| 8K・マルチカム合成 | 24GB以上 |
VRAM不足時の暫定対処
- 不要なアプリケーションをすべて閉じてVRAMの空きを確保する
- プログラムモニターの再生解像度を「1/2」または「1/4」に下げる(モニター下部のドロップダウンから設定)
- 現在使用していないシーケンスのパネルを閉じる
- プロキシ素材に切り替えて編集時のVRAM消費を抑える
RTX 4060(8GB)とRTX 4070(12GB)の選択基準については、RTX 4070の動画編集性能と設定で解説している。
判断基準
| 条件 | 推奨アクション |
|---|---|
| VRAMが最大容量の80%以下で安定している | 現状の設定で問題なし |
| VRAMが80%以上で推移している | 他のアプリを閉じる・プロキシ検討 |
| 4K編集でVRAMが8GBを超えている | GPU増設(12GB以上)を検討 |
| 1080p編集でVRAMが4GBを超えている | エフェクト数を削減またはプロキシ使用 |
| GPU使用率が常に0%のまま | GPU加速が無効になっている。レンダラー設定を確認 |
| タスクマネージャーにGPU項目が表示されない | ディスプレイドライバーの問題。ドライバー更新が必要な可能性がある |