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Premiere ProでH.265(HEVC)が重い原因と即効解決法【設定・プロキシ】

Premiere ProでHEVC(H.265)素材が重い・再生がカクつく場合、ハードウェアデコードの設定がオフになっているか、GPUが非対応のどちらかです。設定確認→プロキシ変換の順に試すと多くのケースで解決します。

更新: 2026/4/78分で読める

スマートフォンや近年のミラーレスカメラで記録されたHEVC(H.265)素材をPremiere Proで開くと、同じ解像度のH.264素材より明らかに重くなる場合があります。これはHEVCの圧縮方式の特性によるものであり、ハードウェアデコードの有効化またはプロキシへの変換によって改善できます。

HEVC素材がPremiere Proで重くなる原因

CPU: HEVCのデコード負荷はH.264の約2倍

HEVCは同一画質をH.264の半分程度のファイルサイズで記録できる高圧縮コーデックです。この圧縮効率の高さと引き換えに、デコード(再生・編集時の展開処理)に必要な計算量はH.264より大幅に増加します。CPUのみでソフトウェアデコードを行う場合、4K HEVC素材では強力なCPUでも処理が追いつかないケースがあります。

GPU: ハードウェアデコードが有効になっていない、または非対応

NVIDIAのRTX 20シリーズ以降やAMDのRX 5000シリーズ以降はHEVCのハードウェアデコードに対応しています。ただし、Premiere Proの設定でハードウェアデコードが有効になっていない場合や、使用しているGPUがHEVCデコードに非対応の場合はこの恩恵を受けられません。GTX 10シリーズ以前の古いGPUでは特に注意が必要です。

RAM: 長GOPデコードのワーキングメモリ消費

HEVCは「長GOP(Group of Pictures)」方式を採用しており、I(完全なフレーム)・P・B(前後のフレームとの差分を記録したフレーム)を組み合わせて記録します。特定フレームを表示するために前後数十フレーム分のデータをメモリに展開する必要があり、RAM消費量が増加します。RAM 16GB未満の環境ではスクラブ時のパフォーマンスが特に低下しやすいです。

設定: Premiere ProのHEVCデコード設定が最適化されていない

Premiere Proには「ハードウェアアクセラレーテッドデコード」の設定があり、これがオフになっていると対応GPUがあっても活かせません。また、HEVCの中でも「HEVC Main 10」(10bit)はデコード負荷が8bitより高く、対応状況もGPUによって異なります。

SSD: スクラブ時の素材読み込み速度

長GOP素材は特定フレームへのランダムアクセスに時間がかかる構造です。HDD使用時はシーク時間も加算されるため、スクラブ(タイムライン上でのドラッグ移動)のレスポンスが特に悪くなります。NVMe SSDでは読み込み速度が十分あるため、ストレージがボトルネックになりにくくなります。

解決手順

  1. ハードウェアデコードを有効にする 「編集」→「環境設定」→「メディア」を開きます。「ハードウェアアクセラレーテッドデコードを有効にする(GPU使用可能な場合)」にチェックが入っているか確認します。入っていなければチェックを入れ、Premiere Proを再起動します。この設定だけでHEVC素材の再生負荷が大幅に改善する場合があります。

Premiere Pro環境設定メディアタブでHEVC(H.265)素材のハードウェアアクセラレーテッドデコードを有効にする

  1. GPUアクセラレーションを確認する 「ファイル」→「プロジェクト設定」→「一般」→「レンダラー」が「GPU高速処理(CUDA)」または「OpenCL」になっているか確認します。「ソフトウェアレンダリング」になっている場合はGPUへ変更してください。

Premiere ProのレンダラーをMercury Playback Engine GPU(CUDA)に設定してHEVCデコードを高速化する

  1. 使用GPUがHEVCハードウェアデコードに対応しているか確認する NVIDIA GPU: GTX 1050以降がHEVC 8bitデコードに対応。10bitはRTX 20シリーズ以降が推奨されます。AMD GPU: RX 5000シリーズ以降がHEVC対応。Intel GPU: 第6世代Core以降がHEVCデコードに対応しています。

タスクマネージャーのパフォーマンスタブでGPUモデルと使用率を確認する

  1. プレビュー解像度を1/2または1/4に下げる プログラムモニター右下のドロップダウンを「1/2」に変更します。HEVCの重さはデコード負荷が主因のため、解像度を下げてもデコード負荷自体は残りますが、GPU/CPUの処理余裕が生まれ再生安定性が向上する場合があります。

Premiere Proプログラムモニターの再生解像度を1/2に下げてHEVC素材のカクつきを軽減する

  1. プロキシを生成してHEVCを回避する ハードウェアデコードを有効にしても改善しない場合や、非対応のGPUを使用している場合はプロキシ編集が有効です。「ファイル」→「新規」→「プロキシ」→「プロキシを作成」を選択し、プリセットに「H.264 1080p」または「GoPro CineForm 1080p」を選択します。HEVC素材からH.264のプロキシが生成され、編集中はそちらを使用することでデコード負荷を大幅に削減できます。

Premiere ProでHEVCクリップを右クリックしプロキシを作成する — 重い素材を軽量化する手順

Premiere Proプロキシを作成ダイアログ — HEVCをH.264プロキシに変換してデコード負荷を削減する設定例

  1. 素材をH.264またはProResに変換してから編集する 大量のHEVC素材を長期プロジェクトで扱う場合は、Adobe Media Encoderで事前にH.264(高品質設定)またはProRes 422に変換してから編集する方法もあります。変換後のファイルはデコード負荷が低く、スクラブも快適になります。ただし変換にはストレージ容量が必要になります。

判断基準

条件推奨アクション
RTX 20シリーズ以降のGPUを使用・ハードウェアデコード未設定ハードウェアデコードを有効化で解決する可能性が高い
GTX 10シリーズ以前のGPU使用プロキシ生成またはH.264変換が必要
ハードウェアデコード有効でも4K HEVCがカクつくプロキシ編集に移行する
RAM 16GB未満でHEVC 4K編集RAM 32GBへの増設またはプロキシ編集が必要
10bit HEVC(LOG記録素材など)が特に重いRTX 20シリーズ以降の10bitハードウェアデコード対応GPUか確認

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Fuuchan

この記事を書いた人

Fuuchan

動画編集の快適化を追求するブログ運営者。Premiere Proの設定・環境最適化・PC選びを実体験をもとに発信しています。