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ノートPCのサーマルスロットリングがPremiere Proを重くする仕組みと対策

ノートPCで動画編集中に突然重くなるサーマルスロットリングの仕組みと、HWiNFO64での確認方法・冷却対策を解説。

更新: 2026/2/257分で読める

ノートPCでPremiere Proを使っていて、編集開始から数分後に急激に重くなる場合、サーマルスロットリングが発生している可能性が高い。これはCPU・GPUが過熱を防ぐために動作クロックを自動的に下げる保護機能であり、スペックが十分でも起こる。無料ツールのHWiNFO64で温度とクロックを確認し、冷却対策を講じることで多くのケースで改善できる。

原因の構造分解

CPU: 熱によるクロック低下

CPUは動作温度が上限(多くのノートPCで90〜100度)に達すると、自動的にクロックを定格以下に落とす。Core i7-12700Hであれば最大4.7GHzで動作できるが、スロットリング中は1〜2GHz程度まで低下するケースがある。タイムラインのプレビューやエフェクト処理が定常的に遅い場合と異なり、「最初は快適だが途中から遅くなる」のがサーマルスロットリング特有の症状だ。

GPU: エンコード性能の低下

GPUも同様に温度上昇でクロックが落ちる。Premiere ProのMercury Playback EngineはGPUアクセラレーションを活用するため、GPUがスロットリングすると書き出し速度や再生パフォーマンスが低下する。特に4K素材のH.264・HEVCハードウェアエンコード中にGPUが高負荷になりやすい。

筐体設計: 排熱経路の詰まり

ノートPCの排熱はヒートパイプとファンによって行われるが、使用期間が長くなるとファン内部にホコリが蓄積し排熱効率が下がる。また、ベッドやソファなど通気性の悪い場所での使用は吸気口を塞ぎ、熱がこもりやすくなる。

バッテリー設定: 電力制限の干渉

電源接続時でも、Windowsの電源プランが「バランス」になっている場合、CPU・GPUへの電力供給が制限される設定になっているノートPCがある。この場合、発熱は抑えられるが定格性能が出ない状態が続く。

解決手順

  1. HWiNFO64をインストールして監視を開始する HWiNFO64(無料)を起動し、「センサー」画面を開く。「CPU Package Temperature」「CPU Core Clock」「GPU Temperature」「GPU Core Clock」の各値をウィンドウを開いたまま確認できる状態にする。

  2. Premiere Proで編集作業を再現しながら温度・クロックを観察する 実際に重くなる操作(4Kプレビュー再生・エフェクト多用のタイムライン再生など)を行いながら、HWiNFO64のセンサー値を観察する。CPU温度が90度を超えた直後にCPUクロックが大幅に下がる場合、サーマルスロットリングが確認できる。

  3. ノートPCを冷却台に置く USBファン付きのノートPC冷却台(ノートPC冷却台の比較を参照)を使用すると、底面からの吸気が増加して温度が5〜15度程度低下するケースがある。冷却台の効果は機種によって差があるため、HWiNFO64で温度変化を再測定して効果を確認する。

  4. 使用場所を硬い平面に変える ベッドやソファなど柔らかい面はノートPCの吸気口を塞ぐ。机やデスクなど硬い平面の上に直接置くだけで、排熱が改善する場合がある。

  5. 電源プランを「高パフォーマンス」に変更する コントロールパネル→電源オプション→「高パフォーマンス」を選択する。ノートPCによっては「最大のパフォーマンス」も選択可能。電源接続状態での動作が安定する場合がある(バッテリー消耗は増える)。

  6. グリスの塗り替えを検討する 購入から2〜3年以上経過したノートPCは、CPU・GPU上の熱伝導グリスが劣化して排熱効率が低下している可能性がある。専門店やメーカーサポートへの依頼、または自己責任での交換で改善するケースがある。保証が切れていることと作業リスクを十分に確認したうえで判断すること。

  7. Premiere ProのGPUレンダリング設定を確認する ファイル→プロジェクト設定→一般→レンダラーが「GPU(CUDA)」または「GPU(OpenCL)」になっているか確認する。ソフトウェアのみになっている場合はCPU負荷が過大になりやすく、熱も上がりやすい。

判断基準

条件推奨アクション
HWiNFO64でCPU温度が90度超え・クロック低下を確認できるサーマルスロットリング確定。冷却台設置・電源プラン変更・グリス交換を順に試す
温度は正常だがパフォーマンスが低いスロットリング以外の原因。Premiereが重い原因と解決法を確認する
冷却台で5度以上下がったがスロットリングが続く排熱設計の限界の可能性。グリス交換またはPC買い替えを検討
電源未接続(バッテリー駆動)時のみ遅い電源プランの問題。電源接続時にパフォーマンスが戻るか確認する
購入から3年以上経過・グリス未交換グリス劣化の可能性が高い。専門店への相談を推奨

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