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premiereMedia Encoder書き出しキュー効率化

Adobe Media Encoderで書き出しを高速化する方法とキューの活用

Premiere ProからAdobe Media Encoderにキューイングして書き出しを効率化する方法と、書き出し中も編集を続けるメリットを解説。

更新: 2026/2/258分で読める

Premiere Proで書き出しを行う際、「書き出し」ボタンを直接押すとPremiere Proが書き出し専用モードになり、その間は編集作業を続けられない。Adobe Media EncoderにキューイングすることでPremiere Proを解放し、書き出しと並行して次の編集を進めることができる。複数ファイルの一括書き出しや定期的な自動書き出しも、Media Encoderを活用することで実現できる。

原因の構造分解

Premiere Pro直接書き出しは編集作業をブロックする

「書き出し」→「書き出し」ボタンで書き出しを開始すると、Premiere Proはエンコード処理を優先するモードに入る。この状態ではタイムラインの編集やプレビュー再生が制限されることがあるため、複数の案件を並行して進めている環境では作業効率が低下する場合がある。

複数ファイルをPremiere Pro単体で順次書き出しするのは非効率

同じシーケンスを異なる解像度やコーデックで複数書き出す場合、Premiere Proでは1ジョブずつ手動で実行する必要がある。Media Encoderのキューを使えばジョブをまとめて登録し、一括書き出しを自動実行できる。

Media Encoderのハードウェアエンコード設定がデフォルトで有効でない場合がある

Premiere Proからキューイングした際、Media Encoder側のエンコード設定がPremiere Proの設定を引き継がない場合がある。Media Encoder側でも独立してハードウェアエンコードの設定を確認する必要がある。

ウォッチフォルダーが活用されていない

Media Encoderのウォッチフォルダー機能を知らずに毎回手動でキューに追加しているケースがある。特定フォルダーに素材を入れるだけで自動的に書き出しが始まるこの機能は、定期的に同じ設定で書き出す用途に有効な場合がある。

解決手順

Premiere ProからMedia Encoderにキューイングする

  1. Premiere Proで「ファイル」→「書き出し」→「メディア」を開く(Ctrl+M)
  2. 書き出し設定(形式・プリセット・出力ファイル名・保存先)を設定する
  3. 「書き出し」ボタンではなく「キュー」ボタンをクリックする
  4. Adobe Media Encoderが自動的に起動し、書き出しジョブがキューに追加される
  5. Media Encoderの緑の「開始」ボタン(または「再生」アイコン)をクリックしてエンコードを開始する
  6. Premiere Proに戻ると通常の編集操作が可能な状態になっている

Media Encoder側でハードウェアエンコードを確認する

  1. Media Encoderのキュー一覧でジョブの「設定」アイコンをクリックして書き出し設定を開く
  2. 「ビデオ」タブの「パフォーマンス」欄で「ハードウェアエンコーディング」がオンになっているか確認する
  3. 設定が正しければ「OK」で閉じる

キューイング後にMedia Encoder側で設定を変更しても、Premiere Proのプロジェクト設定には影響しない。

複数ジョブをキューに追加して一括書き出しする

  1. Premiere Proの書き出しダイアログで最初のジョブの設定を行い「キュー」をクリックする
  2. Media Encoderに切り替えずにそのままPremiere Proに戻る
  3. シーケンスや設定を変更して再度「ファイル」→「書き出し」→「メディア」を開き、2つ目のジョブを設定して「キュー」をクリックする
  4. 必要なジョブをすべてキューに追加した後、Media Encoderに切り替えて「開始」をクリックする
  5. 登録したジョブが順番に自動書き出しされる

ウォッチフォルダーの設定方法

  1. Media Encoderで「ファイル」→「ウォッチフォルダーを追加する」を選択する
  2. 監視するフォルダーを指定する
  3. 書き出しのプリセット(形式・設定)を選択する
  4. 「OK」をクリックすると、そのフォルダーへのファイル追加が自動的に検出されてキューに追加される

ウォッチフォルダーは複数設定でき、フォルダーごとに異なるプリセットを割り当てることができる。例えば「4K用フォルダー」と「SNS用フォルダー」を分けて設定することで、用途別の自動書き出しが実現できる。

書き出し中にPremiere Proで作業する際の注意点

Media Encoderがバックグラウンドでエンコードしている間にPremiere Proで別のプロジェクトを開いて作業することは可能だが、CPU・GPU・メモリリソースが共有されるため、両方の処理速度が低下する可能性がある。

  • 同じシーケンスを編集しながら書き出しを続けると、書き出し結果に編集中の変更が反映されない場合がある(書き出し開始時点のシーケンスがそのままエンコードされる)
  • RAMが32GB未満の環境では、書き出しと並行作業でメモリ不足になる場合があるため、作業内容を軽い操作に限定することが安全な対処になる

NVMe Gen4 SSDへの書き出し先変更と組み合わせることで、書き出し速度のストレージボトルネックを排除できる場合がある。

判断基準

条件推奨アクション
書き出し中に他の作業を続けたいMedia Encoderにキューイングする
同じシーケンスを複数の形式で書き出したい複数ジョブをキューに登録して一括書き出し
定期的に同じ設定で書き出す作業があるウォッチフォルダーを設定する
Media Encoderで書き出しが遅いハードウェアエンコード設定を確認する
書き出し中の並行作業でPCが不安定になるRAM増設を検討(目安: 32GB以上)
Premiere Pro直接書き出しでクラッシュするMedia Encoderへの迂回で安定性が改善する可能性がある

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