Premiere Proのメディアキャッシュは放置すると数十GBに達するが、自動削除設定を使うことで定期的にディスク容量を回収できる。ただし自動削除と手動削除では対象の範囲と削除タイミングが異なる。それぞれの特性を理解した上で、ワークフローに合った設定を選ぶことが重要になる。
原因の構造分解
設定: 自動削除設定の場所と初期状態
Premiere Proの自動キャッシュ削除は、デフォルトで有効になっていない場合がある(バージョンによって初期値が異なる)。有効になっていない環境では、キャッシュは手動で削除しない限り蓄積し続ける。
設定箇所: 「編集」→「環境設定」→「メディアキャッシュ」→「キャッシュが[X]GB以上になったら自動的に削除する」または「[X]日以上前の未使用キャッシュを自動的に削除する」
SSD: キャッシュが再生成される仕組み
メディアキャッシュを削除しても、次回同じ素材を読み込む際にPremiere Proが自動的にキャッシュを再生成する。このため「削除→再生成」のサイクルが発生し、削除直後は素材の読み込みに時間がかかる場合がある。
頻繁に使う素材のキャッシュを削除すると、その都度再生成のコストが発生するため、アクティブなプロジェクトの素材は削除対象から外すことが望ましい。
管理: 未使用キャッシュと全キャッシュの違い
- 未使用キャッシュ: 現在開いているプロジェクトで参照されていないキャッシュのみを削除する
- 全キャッシュ削除: 現在参照中の素材のキャッシュも含めて全て削除する
全削除は次回の読み込み時に全キャッシュが再生成されるため、作業直前に実施すると動作が重くなる可能性がある。
容量: キャッシュサイズの目安
4K H.264素材のコンフォームキャッシュは、素材1時間あたり数GB〜十数GBに達することがある。複数プロジェクトを長期間扱っている場合は合計で100GBを超える場合もある。
解決手順
手順1: 自動削除設定を有効にする
- 「編集」→「環境設定」→「メディアキャッシュ」を開く
- 「自動的に削除する」セクションを確認する
- 「[X]日よりも古い未使用のメディアキャッシュファイルを削除する」のチェックボックスを有効にする
- 日数の目安として30日を推奨する(アクティブに使われている素材は削除されにくくなる)
- OKをクリックして設定を保存する
手順2: 容量上限での自動削除を設定する(容量管理を優先する場合)
- 「編集」→「環境設定」→「メディアキャッシュ」を開く
- 「キャッシュが[X]GB以上になったら自動的に削除する」の項目があれば有効にする(Premiere Proのバージョンによって表示が異なる場合がある)
- ドライブの空き容量に応じた容量上限を設定する
手順3: 手動削除を実施する(即時に容量を回収したい場合)
- 「編集」→「環境設定」→「メディアキャッシュ」を開く
- 「メディアキャッシュファイルを削除」ボタンをクリックする
- 「未使用のメディアキャッシュファイルを削除」を選択する(作業中プロジェクトの素材キャッシュは保持される)
- 全てのキャッシュを削除したい場合は「すべてのメディアキャッシュファイルを削除」を選択する
- 確認ダイアログでOKをクリックして実行する
手順4: 定期メンテナンスの推奨フローを設定する
定期的にディスクを圧迫しないための運用フローの例を示す。
- プロジェクト完了時: プレビューファイルの削除(シーケンス→レンダリングファイルを削除)
- 月1回: 「未使用のメディアキャッシュファイルを削除」を手動実行
- 自動削除設定: 30日の未使用キャッシュ自動削除を常時有効にする
- キャッシュ保存先の確認: Cドライブの空き容量が30GB以上あることを月次で確認する
判断基準
| 状況 | 推奨アクション |
|---|---|
| キャッシュが自動削除されていない(設定未確認) | まず自動削除設定を有効にする(30日を推奨) |
| Cドライブが圧迫されている | 手動で未使用キャッシュを今すぐ削除する |
| 作業中プロジェクトの動作が重い | 作業中素材のキャッシュは削除せず、未使用分のみ削除する |
| 複数の古いプロジェクトがある | 「未使用キャッシュ削除」で古いプロジェクト分のキャッシュを回収できる可能性が高い |
| 削除後の読み込みが遅くなった | 再生成中の正常な状態。素材を一度再読み込みすれば以降は改善する |
自動削除を設定してもキャッシュが再生成されてすぐ容量を占有する場合は、キャッシュ保存先のドライブ自体の容量が不足している可能性がある。外付けSSDへの移動も含めて検討してほしい。