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premiere書き出しクラッシュH.264H.265GPUトラブルシューティング

Premiere Pro書き出し中にクラッシュする原因と対処法

H.264/H.265書き出し中にPremiere Proがクラッシュする原因を特定し、安定して完走させるための対処手順を解説。

更新: 2026/2/257分で読める

Premiere ProでH.264やH.265の書き出し中にアプリがクラッシュする問題は、原因が複数にわたるため1つの対処で解決しないことが多い。GPU過熱・VRAMオーバー・ドライバーの問題・素材の破損など、各要因を順番に切り分けていく必要がある。この記事では、クラッシュが起きた際の確認手順と、それぞれに対応した対処法を解説する。

原因の構造分解

GPU過熱によるサーマルスロットリングとシャットダウン

4K書き出しはGPUに継続的な高負荷をかけるため、冷却が不十分な環境ではGPU温度が90℃以上に達し、保護回路が作動してクラッシュが起きる場合がある。デスクトップPCではGPUクーラーのホコリ詰まり、ノートPCでは通気口の塞がりが主な原因になることがある。

VRAMの使用量がGPUの最大容量を超える

書き出し処理は編集時よりVRAMを多く使用する場合がある。特に4K以上の素材に複数のエフェクトを重ねた場合、8GB VRAMのGPUでは処理中にVRAMが枯渇し、アクセス違反によるクラッシュが起きることがある。

コーデック・ドライバーの問題

NVIDIAのGame Ready Driverに更新した直後や、Premiere Proのバージョンアップ直後に書き出しクラッシュが発生するケースが報告されている。GPU側のH.264/H.265エンコーダーとPremiere Proのインターフェースに互換性の問題が生じている可能性がある。

プロジェクト内の特定の素材・エフェクトの問題

書き出しが常に同じタイムコードで止まる場合、その時点の素材ファイルに問題がある可能性がある。リンク切れのメディア・破損したクリップ・互換性の低いプラグインが書き出し処理を中断させることがある。

システムメモリ(RAM)不足

書き出し処理はRAMも大量に消費する。16GB RAMで4K長尺の書き出しを行う場合、RAMが枯渇してクラッシュが起きることがある。

解決手順

クラッシュ前に確認すべきこと

  1. MSI Afterburner(無料)またはHWiNFO(無料)でGPU温度をモニタリングしながら書き出しを開始する
  2. GPU温度が85℃以上に達している場合、過熱が原因の可能性が高い
  3. タスクマネージャーで「専用GPUメモリ」がGPUの最大容量に近づいていないか確認する
  4. タスクマネージャーで「コミット済みメモリ」がRAM容量を超えていないか確認する

GPU過熱への対処

  1. PCケースやノートPCの通気口を確認し、ホコリが溜まっていれば除去する
  2. デスクトップPCの場合、GPUクーラーのファンが正常に動作しているか確認する
  3. Premiere Proの「編集」→「環境設定」→「メディア」で、書き出し中のプレビュー描画を抑制する設定を確認する
  4. 冷却が根本的に不足している場合は、冷却システムの改善方法を参照する

VRAMオーバーへの対処

  1. 書き出し前に不要なアプリをすべて閉じる
  2. Premiere Proで使用していないシーケンスのパネルを閉じる
  3. 書き出し設定を「ソフトウェアエンコーディング」に変更してVRAM消費を下げる
  4. 改善しない場合、ビットレートを下げて処理量を削減する

ソフトウェアエンコードへの切り替え

ハードウェアエンコードが原因の場合、ソフトウェアエンコードに切り替えることで書き出しが完走する可能性がある。

  1. 「ファイル」→「書き出し」→「メディア」を開く
  2. 「ビデオ」タブの「パフォーマンス」セクションで「ハードウェアエンコーディング」のチェックを外す
  3. 「エンコーダー」が「ソフトウェア」になっていることを確認して書き出しを実行する

書き出し時間は長くなるが、クラッシュが回避できる可能性が高い。

Adobe Media Encoderへの迂回

Premiere Pro本体での書き出しでクラッシュする場合、Adobe Media Encoderにキューイングすることでプロセスを分離し、安定性が改善することがある。

  1. 「ファイル」→「書き出し」→「メディア」を開く
  2. 書き出し設定を完了後、「キュー」をクリックする(「書き出し」ではなく)
  3. Adobe Media Encoderが自動で起動し、キューに追加される
  4. Media Encoder側でエンコードを開始する

特定タイムコードでのクラッシュへの対処

  1. クラッシュが起きるタイムコードの直前のクリップをプロジェクトパネルで確認する
  2. そのクリップを別の素材で差し替えて書き出しを試みる
  3. Lumetriカラーなどのエフェクトを一時的にオフにして書き出しを試みる
  4. 問題のあるクリップを特定後、再インポートまたはトランスコードで置き換える

判断基準

条件推奨アクション
GPU温度が85℃以上でクラッシュ冷却改善を優先。ホコリ除去・冷却システム強化
VRAM使用量が最大容量付近でクラッシュソフトウェアエンコードに切り替え・不要アプリを閉じる
毎回同じタイムコードでクラッシュ該当クリップの確認・再インポート・差し替え
GRDへの更新後からクラッシュが始まったStudio Driverへのロールバックを試みる
Premiere Proのみでクラッシュ・MEでは成功Premiere Pro本体の設定またはプロジェクトファイルの問題
RAM 16GB以下で長尺4KクラッシュRAMを32GBに増設することを検討

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