ノートPCで電源接続中にもかかわらずPremiere Proが重い場合、Windowsの電源プランが「バランス」のままになっている可能性がある。電源プランを「高パフォーマンス」または「最大のパフォーマンス」に変えるだけで、CPUの動作クロックが制限から解放されパフォーマンスが向上するケースがある。設定変更は2分以内に完了し、費用は一切かからない。
原因の構造分解
CPU: 電源プランによるクロック上限の制限
Windowsの電源プランは「最小プロセッサの状態」と「最大プロセッサの状態」をパーセンテージで管理している。「バランス」プランではACアダプター接続中でも最大プロセッサ状態が100%未満に設定されているメーカーカスタマイズが存在する。この場合、CPUの最大クロックが意図的に抑えられ、Turbo Boostの恩恵を得られないまま編集することになる。
GPU: 統合グラフィックスへのフォールバック
電源プランがバッテリー節約寄りの設定になっていると、一部のノートPCではGPUが外部GPU(RTXなど)から省電力の統合グラフィックスに自動切替される。Premiere ProのGPUアクセラレーションが外部GPUを使えなくなり、プレビューやエンコード速度が大幅に落ちる。
設定: ACアダプター未接続での高パフォーマンス設定
バッテリー駆動時に「高パフォーマンス」プランを適用しても、ノートPCのファームウェアレベルでバッテリー時の電力制限(PL1/PL2)が設けられていることが多い。バッテリー駆動でのパフォーマンス向上には限界があるため、本格的な編集作業はACアダプター接続時に行うことを前提とする必要がある。
解決手順
方法A: コントロールパネルから変更する(推奨)
- Windowsの検索バーに「コントロールパネル」と入力して開く
- 「ハードウェアとサウンド」→「電源オプション」を選択する
- 「追加のプランを表示する」をクリックして隠れたプランを展開する
- 「高パフォーマンス」または「最大のパフォーマンス」を選択してラジオボタンをオンにする
- 「最大のパフォーマンス」が表示されない場合は方法Bを試す
方法B: powercfg.exeコマンドで「最大のパフォーマンス」を有効化する
- スタートメニューを右クリック→「Windows Terminal(管理者)」または「コマンドプロンプト(管理者)」を開く
- 以下のコマンドを実行する:
powercfg -duplicatescheme e9a42b02-d5df-448d-aa00-03f14749eb61 - コントロールパネルの電源オプションを再度開くと「最大のパフォーマンス」が追加されているため選択する
方法C: 設定アプリから変更する(Windows 11)
- 設定→システム→電源とバッテリーを開く
- 「電源モード」のドロップダウンを「最高のパフォーマンス」に変更する
CPU Turbo Boostの状態を確認する
- コントロールパネル→電源オプション→現在のプランの設定変更→「詳細な電源設定の変更」を開く
- 「プロセッサの電源管理」を展開し、「プロセッサのパフォーマンス ブースト モード」を確認する
- 「無効」になっている場合は「効率的なブースト」または「アグレッシブ」に変更する
設定後の確認
タスクマネージャー→パフォーマンス→CPUタブを開き、Premiere Proで編集作業を行いながらCPU動作クロックを確認する。設定変更前と比べてクロックが上昇していれば効果が出ている。HWiNFO64を使ったモニタリング方法も合わせて確認することを推奨する。
判断基準
| 条件 | 推奨アクション |
|---|---|
| ACアダプター接続中・電源プランが「バランス」 | 「高パフォーマンス」または「最大のパフォーマンス」に変更する |
| 電源プランを変更しても改善しない | サーマルスロットリングの可能性。HWiNFO64で温度を確認する |
| バッテリー駆動時のみ遅い | バッテリー時の電力制限が原因の可能性が高い。ACアダプター接続を徹底する |
| 電源プラン変更後に発熱・ファン音が増加した | 正常な動作。冷却台を追加するか、ノートPC冷却台の選び方を参照 |
| 「最大のパフォーマンス」を選択しても差がない | ハードウェアの熱設計上限に達している可能性。機種ごとの仕様を確認する |